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本 Archive

ウェブ時代をゆく

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
梅田 望夫
筑摩書房 (2007/11/06)
売り上げランキング: 6
おすすめ度の平均: 4.5

5 次なる提示
5 坂本竜馬
5 言霊ってあるんだと実感

“ウェブ進化論”はこれから始まるネットによる社会変化を解説した本だったけど、”ウェブ時代をゆく”は「じゃあそんな時代にどうやって生きていけばいいのさ」という疑問に対して答えているような本。

「The only way to do great work is to love what you do.」とはかの有名なスティーブ・ジョブズの言葉。「偉大な仕事をする唯一の方法は、あなたがすることを愛することだ」という意味になる。そして「If you haven’t found it yet, keep looking. Don’t settle.(まだ見つからないなら、探し続ければよい、止まってしまってはいけない)」とも語っている。

自分が本当に好きなことを探し続けること、それが大事だというわけだ。これってつまり、この本で語られているロールモデル思考法の目的。本書にもニュートリノで有名な小柴氏の言葉として「大事なのは「自分はこれをやりたい」というものを見つけること。それが人生で一番大切なことです。もちろん、簡単ではない。自分が何に向いているのか、何が好きなのか、見つけるのは優しくない。それでも何とか見つけださなければならない。良くないのは、見つける努力をしないでフワフワ生きていること。それが一番困る」と書いてあった。さて、このやさしくないことをいかにして解決していくか、その方法が”ロールモデル思考法”だ。

ロールモデル思考法は”トヨタ式思考法”みたいなものかなーと思った。トヨタ式思考法では”5つのなぜ”というのが有名だ。課題に対して”なぜ”を5回繰り返し、深く原因を追及し”真因”を探るというメソッド。このとき、「いつ」「どこで」「誰の」視点かということを押さえてから「何のために」を考えるのがコツだそうだ。

ロールモデル思考法は、これらのコツに「お手本」を追加したようなもののような気がした。誰かの考えや実行したことなどを自分の立場に置き換えて見つめ直しヒントとする。膨大な情報の中に身をさらして、様々な視点から整理整頓、お手本から直感を得て回答へと近づいていく。最近読んでいた”佐藤可士和の超整理術”とも似ているかもしれない。

こうやって「なぜ」を繰り返すことで”自分の好きなこと”に近づいていく。トヨタ式と異なるのは、これが5回ではなく一生繰り返されるということだ。続けるのは難しい。けれど、これは絶対にやるべき大きなチャレンジだ。でも、やろうと思えばすぐできる。大事なのは、続けること。

ボクも続けていればいずれ Vantage Point が見えてくるかなー。

佐藤可士和の超整理術

  • 2007-11-07 (水)
佐藤可士和の超整理術
佐藤可士和の超整理術
posted with amazlet on 07.11.07
佐藤 可士和
日本経済新聞出版社 (2007/09/15)
売り上げランキング: 107
おすすめ度の平均: 3.5

5 この感性、、、
5 これは「発想術」の本
2 整理術って言うから買ったのに・・

整理術と書いているけど、これは整理術ではない、っていうか発想法? そんな印象の本だった。整理のノウハウ的な内容は驚くほど少ない。たぶんビジネス的というかLifehack的というか、そんな方向性の整理術を期待していると肩透かしを食らう。サムライのオフィスが極めてシンプルなように、その整理の方法も超シンプル。小難しいノウハウは一切ない。彼の言う整理術は成功までの過程の1つに過ぎにない。しかし、それが極めて重要であるということを伝えようとしている本だと思った。

何もかもクリアにして、資料を整理し、情報を整理する。クライアントが求めるもの、ユーザーが求めるもの、そのエッセンスを抽出し、プライオリティを付けて、並び替えて、思考を整理していく。そうして本質に辿り着き、コンセプトが明確になり、成果へと繋がっていく過程。これらがとてもシンプルでわかりやすく書いてある。

本の中に書いてあることでボクもなんとなく実践していることがあった。それは会話をしていく中で”たとえ話”を盛り込んでいくこと。この本の言葉で言えば”仮説を相手にぶつける”ことだ。話を聞いただけでは相手の真意をきちんと理解することは難しい。相手の話を聞いて自分の言葉で変換して初めて理解が得られる。その確認のため、相手に「それってこういうことですよね?」と聞く。「そうだよ」という返答がくればそれでよし、「違う違う、そうじゃないんだよ」というような返答がくれば、また別の仮説、例え話を考える。

人に何かを話すとき、教えるときにもこの”例え話”を活用する。自分が理解していて相手が理解していないことを説明するのは難しい。教科書的に「こうだよ」と言っても理解してくれる人は少ない。だからこそ色々な方向性から「例えばこういうこと、ああいうこと」というように、言い方が違うようなことをできるだけたくさん話すようにしている。だから言おうとしていることは基本的に同じだ。人の受け取り方は千差万別、多くの人にフィットする説明をするには多くの説明をするしかない。

まぁ、言うは易し行うは難し、なんだけどね(笑)

この本を読むことで、これまで漠然と行ってきたことが少しクリアになってきた気がする。
しかし、もっと理解するにはもうちょっと考える必要がありそうだ。

まずは、机の整理から始めよう

老ヴォールの惑星

老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))
小川 一水
早川書房 (2005/08/09)
売り上げランキング: 17355
おすすめ度の平均: 4.5

5 「オチ」に説得力
4 ツボでした
4 粒揃い

小川一水によるハードSF中篇作品集。奇妙な監獄迷宮が舞台となる「ギャルナフカの迷宮」。異星人側からの視点で描いた感動のファースト・コンタクト。現実と仮想現実を問う「幸せの箱船」。1人の男の不死の孤独を描いた「漂った男」。以上の4篇。どれも良い味をした作品だと思う。

いま生きている世界は本当に現実なのか? 本当の自分は実はベッドにでも寝ていて危篤状態で無理矢理に現実の夢を見せられているんじゃないか? なんてことを誰でも一度は考えたことがあると思う。

仮にそれが本当だったとしても、それを自分で確認する術が無いとなると、それはその人にとって仮想にしかならない。その人が現実と感じることこそが現実であり、それ以外のことは真偽は関係なく、仮想的なものとなる。私の五感が感じるこの世界と、あなたの感じるこの世界は、もしかしたらまったく違った光景かもしれない。でもそれを確認することができない以上、世界はそのひとのためだけの単一の世界、とも考えられる。他者から得られるリアクションは、たまたま自分の世界に都合の良いことなだけだ。

なんてことを昔考えたことを思い出した。

この作品に描かれているような世界、生物が私が生きる世界とは別にいるのかもしれない。
平行世界、パラレルワールド、多世界解釈。

SFは現実を凌駕し、そして現実はSFを追い続けている。

いずれ、こういった出来事が現実で起こるんだろう。
そして、どうせなら、ボクが生きている間にボクの世界で起こってほしいね。

未来を予測する技術

  • 2007-09-12 (水)
未来を予測する技術 [ソフトバンク新書] (ソフトバンク新書 46)
佐藤 哲也
ソフトバンククリエイティブ (2007/08/16)
売り上げランキング: 833
おすすめ度の平均: 4.0

4 シミュレーションでどこまで?を考えることのできる良書
4 地震予測はなぜ難しいか?
4 動的平衡にあるシステムをホリスティックに考える

スーパーコンピュータ。内部演算処理がその時代の一般的なコンピュータよりも非常に高速な計算機のこと。LINPACKというベンチマークプログラムによるスパコン性能ランキング(TOP500 Supercomputer Sites)が、半年に1度、公開されている。現在最速なのは、IBMあたりのスパコンなのかな?

とはいえ、スーパーコンピュータは演算速度だけがすべてではない。その設計思想やコンセプト、アルゴリズム、利用目的がとても重要になってくる。しかし、世の中の大部分のスーパーコンピュータは核実験などの軍事目的がほとんど、しかもそのスーパーコンピュータが置いてある国に対してのみにしか使われないという。

日本の地球シミュレータはそれらとは一線を画する。性能的にもTOP500 Supercomputer Sitesで当初は1位にいたし、その使われ方が素晴らしい。地球シミュレータは唯一、未来を直接の研究対象として、科学的な観測を可能とした道具だ。海流や天候のシミュレーション、地殻変動の研究、ミクロレベルからマクロレベルへと繋がる、さらなる大規模シミュレーションの可能性の模索。それまで軽視されてきた産業界におけるシミュレーションの有効性の実証。日本のスーパーコンピュータが様々な分野で、地球の未来を予測するため、日本だけではなく世界のために活用されている。

ニューヨークタイムズは地球シミュレータを「コンピュートニク」と呼んだ。地球シミュレータが稼働した当初の他を圧倒する研究成果を人類初の人工衛星「スプートニク」になぞらえた呼び名だ。地球シミュレータは35TFLOPSでTOP500 Supercomputer Sites 1位、その後IBM Blue Gene/Lが70TFLOPSの性能を実現し、地球シミュレータを追い抜いた。しかし、この数字だけではスーパーコンピュータの性能を測ることはできない。地球を丸ごとシミュレートし、未来予測を研究対象としたこと、そういった目的を実現するための道具、ということが評価され、ニューヨークタイムズをして「コンピュートニク」と言わしめている。

そういえば、ちょっと前に「人類が今日いなくなったら、その後どうなるか?」という予測がちょっと話題になっていた。あっという間に環境が改善してき、自然が増えて、人類の痕跡がほとんどなくなり、赤色巨星化した太陽に飲み込まれるまでの予測が書かれていた気がする。こんな予測を緻密にシミュレーションし、人類の有無によって地球の姿がどうなるか、という研究がもしかしたら可能になるかもしれない。そしてその結果を見て一般の人たちは愕然とするかもしれない。

地球温暖化防止のために、省エネに協力しましょうとなかなか協力は得にくい。しかし、未来のシミュレーションによって、詳細でグラフィカルな絵で多くの人々が未来予測結果を見ることができれば、その訴えも伝わりやすくなるんじゃないかと思った。

PS3のグリッドコンピューティングでそういうことできないかな。今でもFolding@Homeではタンパク質の解析による不知の病の治療法の模索が行われているけれど、可能性はこれだけじゃない。もっともっと色んなことができるはずだ。ゲームによるリッチな映像表現にリアルなシミュレーション。可能性はエンターテイメントだけに留まらない。

地球シミュレータセンター : The Earth Simulator Center

「世界征服」は可能か?

  • 2007-09-04 (火)
「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)
岡田 斗司夫
筑摩書房 (2007/06)
売り上げランキング: 98
おすすめ度の平均: 3.5

4 世界征服という言葉の魔力
4 シャレで済ますことができない一冊
1 おーい!それじゃ「世界征服」してないじゃないかっ!!




アニメやゲームに出てくる敵役、悪の帝国はなぜ”世界征服”をしたがるのだろう?

そんな疑問からこの本はスタートする。高度な科学力に豊富な資金、有能なスタッフが揃っているのだから、健全にやっていけば何不自由なく素晴らしい生活をおくることができるというのに、悪人達はこぞって世界征服をもくろむ。しかも、世界征服の目的が曖昧だったりもする。「何故世界征服をするのか」というビジョンがまったくない悪人なんてちょっと考えたらおかしな話だ。そこから世界征服の目的はどんなものがあるか?という考えが進められる。人類の絶滅、巨万の富が欲しい、支配されそうだから逆に支配、自分達の思想を広める、意味不明などなど。そこからさらに魔王タイプ、独裁者タイプ、王様タイプ、黒幕タイプと分類されていく。

こうして様々なアニメやゲームなどのフィクションや現実に存在した独裁者などを例に分析が進められる。一見するとオタク向けのちょっとしたサブカルチャー的読み物、と捉えられかねない内容だ。しかし、意外と底がふかーい読み物になっている。

アニメやゲームに登場する悪の帝国についてのちょっとした疑問「なぜ世界征服したがるのか?」というところから、ポイントを抑えつつ世界征服をするシミュレーションが進められる。様々な場面で大きな障害に衝突するものの、それらをなんとかクリアしたという前提で徐々に世界征服へと近づいていく。すると「あれ、世界征服って実はあんまり旨みがないんじゃない?」という考えに至り、現実世界の自由経済社会や階層、階級社会へと言及されていく。

アニメのちょっとした疑問からあーでもないこーでもないと考えが巡らされ、現実世界に転化。なるほど、だから世界はこうなってるんだという1つの理解が得られる。こういう形で語るのは難しくもあり、そして楽しい執筆作業だったんじゃないかなー。

後半があまりよろしくない、というレビューをAmazonでちらほら見かけた。なんだかなぁ。
前半から後半へのアクロバティックな文章が面白いんじゃなかろーか、これは。

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