〈時をめぐる大いなる戦いの果てに――著者が満を持して挑む、初の時間SF〉時間線を遡行して人類の完全なる殲滅を狙う謎の存在。絶望的な撤退戦の末、男は最終防衛ラインたる3世紀の倭国に辿りつくが……
時間旅行モノ。ありふれたテーマだと最初は思ったけれど、内容はぜんぜんありふれたって感じがしない。
西暦248年。とある国の女王とその使いが物の怪に襲われる。危機に瀕した彼女たちを救ったのは未来からきた「使いの王」を名乗る知的生命体。彼の目的は同じように未来から来る侵略者から人類を救うこと。
西暦3世紀ごろの彼らの戦いを軸に、これまで「使いの王」関ってきた戦いの軌跡を追う物語。
数十世紀にまたがる壮大な物語。しかしこれが驚くほどコンパクトにまとめられている。そしてかなりシンプルな構成。小難しいSFではなく、かなり物語に注力して読むことができる。小川一水氏の小説にしてはかなり短い部類だろう。実際、これは中篇の予定だったらしい。いやはや、すごいです。
SFはなかなか読みづらいものが多々あるのも確か。しかしこれは内容的にも文章量的にもかなり読みやすい。オススメの一作。
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