- 2007-04-09 (月) 23:35
- その他

私は文系人間ですが...
新しい世界を構築したオーソドックスなSF
難解すぎて挫折
イーガンの最高傑作の1つ「ディアスポラ」。難解難解と話には聞いていたが、話の大筋はそれほど難しいものではない感じ。巻末の解説にもあるように分からないところは飛ばして読んでしまっても全然問題ない、と思う。 とはいえ読み飛ばすのはもったいない。数学、人工知能、仮想現実、数学、宇宙論、量子論などなど発表当時(1997年)の最先端科学目白押しで、そんなの当然みたいな感じで文中にこれでもかと登場してくるから難しいのは確かだ。しかし、巻末には用語集があるので、それらを参考にしながら読んでいけば(比較的)分かり易い。 SF小説の究極系のように言われることもあるくらい、とんでもなく壮大な物語だ。西暦2975年から始まり、何の説明もなくいきなりソフトウェアの説明と知性体ソフトウェアの誕生が語られる。ここでの社会は完全なバーチャルリアリティ世界。【ポリス】と呼ばれるこの社会で生活する人々は肉体を持たない純粋な知性ソフトウェアで、数世紀前に【移入】と呼ばれる肉体からバーチャルリアリティ世界に移住した人々の末裔だ。また、他にも他の進化、形態を選んだ人々の末裔も登場する。物質世界に生きる人々で機械の身体を持つグレイズナーと生身の肉体を持つフレッシャー(ただし遺伝子操作しまくり)の二種類が存在する。考え方も違えば形態も異なるが、それでも人類には変わりない。 自我を持つ知性ソフトウェアの誕生から、異常な天体活動による地球への大打撃。ポリス市民らによるワームホールを用いた宇宙航法の模索。その失敗を経た後の従来の宇宙船による深宇宙探査。これはポリス市民らが自分たちのコピーを1000ほど作成(ソフトウェアだからコピーなんて簡単)し、1000の宇宙船に乗って旅立った。これがタイトルにもなっている【ディアスポラ】にあたる。その後は想像を絶するめくるめくSF世界だ。人類とは全く異なる異性生命体。【ワンの絨毯】に驚愕する。さらには自分たちよりも高度な知性を持った存在の痕跡を発見し、その追跡劇が始まる。 彼らはどこへ行ったのか? 最終章である高度知性体の追跡劇がこの小説でもっとも壮大な部分だろう。 二百六十七兆九千四十一億七千六百三十八万三千五十四レベルの先。ここまでやってきた時、誰でも考えることの1つ「宇宙って何さ?」「生命って何なのよ?」みたいなことを深く静かに考えさせてくれる小説だ。
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